ポケット
ちょっとずつ ふたりは 離れていったのだろう
ポケットに空いた ちいさな 穴から
ころん ぽろん と いろんなものを こぼして
気付かず 気付いても 拾おうとせず
まだ 大丈夫だと 目隠しして 歩き続けた
そんな こと してたから
ポケットは 空になってしまう
ふたりは ひとりに なってしまう
こぼしたものを 拾えばよかった
ふたりで 新しい何かを 足していけばよかった
今の 僕に 残ったのは
穴の空いた 空のポケットだけ
(2006.04.12)